今まで遊戯王における【マッチ戦】というものはどこか遠い世界の話だと思っていました。しかし
僕はもう逃げない!ということで飛び込むことに決めました。といっても身内でのマッチ大会なんですけどね。小規模なショップ大会…といった感じのノリ。
ハッシュタグはウルナイト
この頃Twitter上で拡がりを見せている「ウルナイト」のハッシュタグ。大阪府内で開催されるお酒を飲みながらデュエルができる、「小学生の頃の内輪ノリ全開の遊戯王」をコンセプトとするオフ会のイベントに付くタグです。
昨今のご時世に合わせDiscordでもグループを使った「ウルナイト」が開催した(大会の発起人は某ハイドランダーの伝道師様です)マッチ戦の大会に蟲惑魔とウィッチクラフトでバブバブしているクソ雑魚YPの私が参戦しました。
ギリギリ使える大会用デッキ
ガバガバ乳幼児YPであるためフリー構築も大会構築もどっちつかず。
加えて、環境足り得るテーマを出張として使ったことはあるものの『主体として回したことはない』ど素人。カードだけは持っている【転生炎獣】【魔術師】も回していた頃の記憶は闇に消えている…
なら普段使っているテーマを大会用(当社比)に調整してしまえば良いじゃない!
と言う安直な発想の下に急造したデッキがこちら
リンク1を自前で用意しやすい日々狂ったように愛用している【蟲惑魔】とEXデッキから出てきたモンスターを見るとはしゃいで出てくる【ドラグマ】。セラのトリガーにもなる超強力な通常罠を擁するこの組み合わせ。Wikiでも蟲惑魔と合わせるテーマとして載っているこの組み合わせやろ!
勝ったなガバハ!
結果です↓
1回戦
— 米ココア (@kotorihonoka1) 2020年8月21日
破械幻魔××(先)
敗者同士の戯れ
罠ヴァレット××(後)
ぐへぇ……
全☆敗
メインの中身は同じで1戦だけ、別の方の罠ヴァレットともやりましたが負けました。
ものの見事に1戦も取れずに消し飛びました。
おかしいなあ……1戦くらいは勝つはずだったんだけどなぁ…
欠陥塗れの綱渡り
よくよく見なくても相当無茶な賭けに出た構築なんだなぁと思いましたし、大会前にサイドの考え方を教わった知り合いの方からも『しょっぱいタイミングめちゃくちゃ多そう』と感想を頂きました。
とりあえずパッと思いつくだけでも4つほどやばい箇所が…
- こっちが先攻を取った上で相手が横並べをしてくるタイプじゃないと妨害が機能しない
- 除去手段が殆ど破壊
- 打点が足りない
- そもそもドラグマが有効に機能しない
致命的な部分ほど強調しています。なんだこれは…穴だらけじゃないか…
正直、普段オフ会等のイベントで最大出力デッキとして使っている使っている【JK蟲惑魔王】の方が強いんじゃないかとさえ思えるほどです。ぶっちゃけていうと『汎用を適当に詰めただけ』レベル…
と無限にネガティブを放出しても前に進めないので一つ一つザックリと噛み砕きましょう。もし「自分の好きなデッキでマッチをしてみたい」特に
蟲惑魔を使いたいって方がいたらこんなYPになっちゃダメだよと反面教師として役立てて貰えれば幸いです。それ以外の方は嘲笑しながら読み進めて下さい。
やばい箇所 1
正直『ハリファイバー等の初動を潰せばまあ死ぬだろ』と甘過ぎる見通しでした。誘発や汎用妨害も添えてあるし。しかし、
死にません
落とし穴は自分から相手を嵌めにはいかないのです。相手が生き急げばその分笑顔になるのですがそうはいきません。それどころか先にリソースを切らしてこちらが死にます
現代のデッキは『程々の展開』でも強く、二の矢以降を用意できるものが多すぎますからね。このデッキは…ナオキです。
根本的に妨害までもが待ちの構築でした。メインの泡影やサイドの超融合も然りです。相手が動いた分しか動けません。
両試合共、『しぶとくリクルートする』タイプのデッキと当たったのでこの欠点がもろに現れたわけですね。蟲惑魔のように後ろを固めるデッキを使う場合、
大抵の行動に反応できる神罠は入れましょう。
ライフコストが怖くて入れないというのは罠です…
やばい箇所2
11期のつよつよテーマのドラグマと言えど彼らが用意できる除去手段は基本的に破壊です。そして蟲惑魔も『能動的に使える』除去は『狡猾な落とし穴』『絶縁の落とし穴』の破壊です。破械やヴァレットなんかと出会ったら目も当てられませんね。出会ったんですけど。
破壊は初動を潰し取り回しやすいカードが多い反面相手にアドバンテージを与えることも往々としてあり得るため、いくら逆に刺さるようになったとしても除去手段は散らすことを頭から退かしてはなりません。サイドデッキ構築においても例外ではありません。
やばい箇所3
思っていた5倍くらいには打点が足りませんでした。高打点を並べる前の段階で除去しフルルドリスでぶいぶい言わせ、それでも困った場合ライトニングで殺す。という算段でした。どうだったか
下級すら辛かったです。数が多過ぎる
『オルターガイスト』レベルまで来ると打点不足も気にならなくなるんでしょうけどね。こっちが並べる打点の質も量も足りませんでした。
どうしてホープダブルセットを入れなかったんでしょう
コレガワカラナイ。
ダブルアップチャンス素引きとか、攻撃宣言中の無防備さを恐れたのでしょうか…
困った時にパッと出せる高打点。
自分から並べないタイプのデッキではありすぎても損がないということを痛く実感しました。この手のデッキの後攻での勝ち筋って実際それくらいですからね…
それすらも出した後が続かないというとんでもない問題を抱えているわけですが。
やばい箇所4
蟲惑魔とドラグマって案外合いません
というか、【ドラグマ】というテーマそのものが印象に反して何にでも合うわけではない
ということは意外と見落としがちな罠です。
蟲惑魔そのものを引けないとドラグマのSS条件が満たせない
セラの場持ちは貧弱そのもの
この2点は無視できないレベルには重たい弱点でした。効果が強いリンク1がいる、までは良いのです。この後にさらに3つの問題を抱えています。
- 蟲惑魔自体の供給力が乏しい
- 場持ちが良く強いEXデッキのモンスターを出しにくい
- EXデッキから墓地に落とすメリットが蟲惑魔側にはない
総じて言うと『セラを出し、ドラグマを出した先』
を見据えにくい、ということです。
『教導の大神祇官』を活かせない、というと蟲惑魔側がドラグマの力を上手く使いこなせていない現実が分かるかと思います。
『エルシャドール・アプカローネ』を落としてサーチ兼墓地肥やしを行える【シャドール】。
そのシャドールをも取り込み、サーチが容易で核となるモンスターから『転生炎獣アルミラージ→セキュア・ガードナー』とリンク1も融合素材も用意できる【召喚獣】
と比較すると【蟲惑魔】とドラグマは互いの動き方が『独立し過ぎて』いるのです。
ドラグマの脇を固める役割としてセラや各種落とし穴は余りに脆過ぎる、というのもあります。
この点以前の3つのやばい箇所は構築の改善である程度カバーできる穴ではあるのですがこればっかりは選んだテーマそのものの欠陥でした。うーん、まだ純で戦った方が良かったか…
テンプレって偉大
ボコボコのボコにされて逆に感情が冷静になった今、テンプレの力というものを深く実感しました。
実際、ちょっとテンプレを毛嫌いしていたところがあるんですよね。理由を挙げるとまたキリがなくなるのですが
テンプレは逆に回せる気がしない
というところが大きかったです。もし、今、色々な理由からテンプレ構築を避けている方がいたら、声を大にして言いたい。
それは罠です
テンプレ構築は試行錯誤の集合体です。
似たような構築だとしても、テンプレの量が試行錯誤の末の答え、構築の正しさ
を示す最も分かりやすい指標となるのです。
それはどんなデッキを組むにしても
決して避けては通れないシンボルなのです。
多くの方も仰っているクッソ当たり前のことですがそんなことすらちゃんと理解していなかったのです。そら勝てんわ。
実際、【蟲惑魔ドラグマ】もインターネットの海に転がっている構築の種類は微々たるものでした。
世に出ていないだけで個々人の間では洗練された形があるのかもしれませんが、量が少ないということはつまりそういうことです。
一朝一夕の急造チームではどうにもなりません。
所謂テンプレ構築を常備してそれを回し続けることで普遍的な遊戯王観を得ることも大切なんだなって。きっとその、普遍的な視点はカジュアルに戻っても、バランスの取れた構築という点で多いに貢献します。
おわりに
いやぁ難しい。コンスタントに勝ちに行くデッキというものは。感想を突き詰めるとこれと同じようなことを壊れたレコードのように繰り返すのみになってしまうものです。
纏まりが付かなくなってしまうのでこの経験で得た一つの目標を示しておわりにします。
『テンプレ(純構築)をしっかり回せるようにする』
今はとりあえず、パーツのある【プランキッズ】と【罠型ヴァレット】を形にしていこうと思います。
以上、持ち出し用PCに作業中のファイルのコピーをミスって本日、全く仕事にならない米ココアでした。