みなさん、おはようございます。
4月からウダウダしている間に世界も、遊戯王も目まぐるしいスピードで変化していきました。
外から見ている分には『スプライト』と『ティアラメンツ』の二強が引っ張る戦線は割と楽しいものだったんですけどね。
カードゲームと称される競技で、一番真面目にガチ戦をやっていた時期が【シャドウバースのワンダーランドドリームズ期】だった私の感覚はあんまり当てにならないものでした。
さて、そんなざわつく遊戯王界隈の話はこの辺りにして。
今回は全体的にパワーが底上げされている流れの中で発売される新パック【PHOTON HYPERNOVA】で強化される『王』についてのお話です。
ちゃんと強化が続いてくれてありがてえなあ
『王(ジェネレイド)』とはなんぞや
みなさんは王、と書いてジェネレイドと呼ぶこのテーマのことをどれだけ覚えているでしょうか。
彼らの産まれは2019年8月3日のデッキビルドパック【ミスティック・ファイターズ】です。
もう3年前の話だそうですよ。嘘だろ。
めちゃくちゃ仰々しい名前のこのテーマは
自身の種族か『王』をコストに相手を妨害したり
自身の種族か『王』の展開をサポートする効果を持っているモンスターを
相手のドローやサーチといった、デュエルを進める上で絶対に通る行為をトリガーに展開して戦うテーマとなっています。
ここまで聴くと『何かめっちゃ強そうやん』と思われる方もいるかもしれませんが何とこのテーマ、
とんでもない不具合を抱えています。それをちょっとした4コマ漫画風にしてみました。
魏!
呉!
蜀!
手札はさながら三国志!!
初手の時点でどうにもならないZE☆といった状況が割と頻発したというもの。
それもそのはず。驚くなかれ。最上級モンスターにも関わらずセルフSS効果を持っていないのです。仲間を出すだけじゃなく自分らも出てこい。
王をたくさん引く前に展開できる下級や
手札事故のリスクを考えてもとても強い王
この様な強力な新規こそ貰っているものの根本的な悩みには触れられていない状況。
混ぜ物をする時は当然として純寄りの構築でもテーマカードをあまり積みたくないという本末転倒な事態が長く続いていました。
しかしそんなお悩みとはもうおさらば
自分で出てこれる王とついでに何か強いエクシーズの2枚の新規が天からこぼれ落ちたのですから!
同パックに2枚の新規でビルド産テーマを強化する流れ、好きよ。
王の呪 ヴァラ
まず1枚目。
お姉さんキャラのエキスパートがKONAMIにはいる(確信)
星9/炎属性/天使族/攻2500/守2500
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):「王の呪 ヴァラ」は自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。
(2):このカードが手札・墓地に存在する場合、
手札から他の「ジェネレイド」カード1枚を墓地へ送って発動できる。
このカードを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
(3):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分の手札・墓地から「王の呪 ヴァラ」以外の「ジェネレイド」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
(ここ好きポイントを赤文字にしています)
こんなん貰っていいんやね…!!
メリット効果が2つある王が当たり前に出るようになった時代。
ひとつひとつ見ていきましょう。
腰が軽いセルフSS効果
どれ程待ち望んでいたか分からない自分の力だけで場に出てこれる王の登場です。
出てくるだけで100万点なのですが後2つも強力な要素を隠し持っています。あまりにストロング。
手札・墓地から出てこれる
ジェネレイドの二大【不測の事態】である『鉄の王 ドヴェルグス』や『死の王 ヘル』を引いてしまった状況の両方共で動ける効果。
これはネガティブな事態の解決だけでなく『光の王 マルデル』からサーチして即座に動くことのできるカードであることと『九字切りの呪符』など、ジェネレイドを墓地へ送りつつ動くカードが強くなるということ、二つの恩恵をもたらしてくれます。
どことなくマルおねみたいな、テーマのコンセプトは守ったズルさを感じる
手札に貯まった王を一時的に墓地へ送れる
これは凄くありがたいのです。
王はテーマの性質上、モンスターでも魔法・罠でも手札に溜まりがちになります。
そんなどん詰まりかけたリソースをそのまま展開に活かせる様になったのは正しく革命と言えます。
場の王をコストにできるとか書いていましたがそんなこと全くありません。何を書いていたんだ自分は。
手札からしかコストを払えませんが③の効果の存在からそれでも十二分に強いと確信しています。
自分も出るし仲間も増やす
セルフSSだけじゃ11期では物足りん、と言わんばかりについでに仲間も連れてくる効果。ここにも超強いポイントが2つあります。
とにかくSSすれば効果を使える
マルデルもそうなんだし別に驚くことないやろ!という部分ではあるのですが、
どんなカードの効果でも誰のターンでも特殊召喚さえされれば発動できる効果が、展開効果。この事実は極めておったまげることなのです。
今までは自分ターン中に『王の影 ロプトル』か『ローンファイア・ブロッサム』等で準備を行い相手ターン中にわちゃわちゃ動く、という迷惑極まりない
展開が主流だったところから好きなタイミングで動ける柔軟性を得たのですからもういけません。
コストとして使った王をそのまま釣り上げられるのも当たり前の様に見えてヤベェことです。
テーマの動きだけでEXデッキに触れられる
自分のターン中にジェネレイドのカードだけでモンスターを2体以上並べられる。これ即ちEXデッキとの距離感を縮めることに直結します。
EXデッキに触りやすくなったということはテーマ外のカードとの親和性も高まるということ。胸が躍るタイプの強化です。いっぱいちゅき。
自身の効果で出てきた場合はリンク素材にすると除外されてしまうのですがXモンスターにしてしまえばそのデメリットも帳消し。
ランク9はV.F.Dが居なくなってから層が薄くなったやんけ!と思う皆さん。ご安心ください。
新たなるXモンスターが追加されました
影の王 レイヴァーテイン
裏ボスとしての王であるという考察好き
ランク9/炎属性/天使族/攻2500/守2500
レベル9モンスター×2体以上
(1):「影の王 レイヴァーテイン」は自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。
(2):相手フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は1000ダウンする。
(3):自分・相手ターンに、X召喚したこのカードをリリースして発動できる。
EXデッキから天使族モンスター以外の「ジェネレイド」Xモンスター1体を特殊召喚する。
その後、このカードが持っていたX素材の数まで、自分または相手の、
フィールド・墓地のカードを選んでこの効果で特殊召喚したモンスターの下に重ねてX素材にできる。
(例によってここ好きポイントは赤文字です)
何て豪快な裏方効果……!!
『永の王 オルムガント』を全力で引き立てるサポート効果。同期の【ドラゴンメイド】の強化と似たものを感じます。
こちらもメリット効果をひとつずつ紐解きましょう。
1000のデバフは相当強い
シンプルイズベスト。
そこにいるだけで相手の攻守が1000下がります。この手の攻守変動効果は、割と過小評価してしまいがちなのですが
- ロプトルで攻守2500未満のモンスターなら一方的に殴り倒せる
ラインにまで相手を弱体化させられることの恩恵は実践のデュエルを行う程に実感できること。相手ターン中にロプトルと共に並べたら打点での突破は非常に困難なものとなるでしょう。
この効果自体は蘇生しても適用され続ける点も『ヘル』や『ヴァラ』と噛み合っていて気遣いの高さを感じ取れます。
ペルレイノが強いならその4倍のステータスの差を作れるロプトル+レーヴァテインは禁止クラスですよ(過言)
どんなものでもパクパクですわ
そして2つ目の効果は何かややこしいことが書いてありますが、要点を切り取ると
- 正規の手段で出した自身をリリースし(フリチェ)
- 『オルムガント』という蛇ちゃんを違法SS
- リリース時に持ってた素材分、場か墓地から蛇ちゃんの素材を確保(対象取らない)
という他人を下敷きに違法エクシーズをするとんでもない行為を好きなタイミングで撃てます。耐性持ち以外はみんな食べ物です。
この効果のやばいところはここから出てくる『オルムガント』が
- 素材の数だけ打点が上がる(×1000)
- オルムガント自体も自分と相手のカードを素材にする効果を持っている
- ↑の効果はフリーチェーンである
というところ。
無理やりな救済ではなく本来持っている強さを存分に発揮させるサポートなのです。なんと解釈一致なのだろう。
自分の墓地や場からもパクパクできるので
- 王の様な『場に1体』制約の回避
- 『オーバーレイ・ネットワーク』とのコンボ
- 対象に取るタイプの妨害の回避
この様な細かいシナジーも見込めます。
あんな見た目でやっていることは随分仲間思いなところ、ギャップ萌えってやつですね。
強化されたテーマカード+相性○のカード3選
最後に今回は恩恵を受けたテーマカードと、相性が良くなった他人とをひっくるめて3種のカードをピックアップします。
ヘルやマルデルは殿堂入りであるためそれ以外のカードからどうぞ。
王の憤激
激おこぷんぷんオルムガント
『レイヴァーテイン』にめちゃくちゃ素材を仕込んで破茶滅茶に除去枚数を増やせます。
今までは『ゴーストリックの駄天使』の様なテーマ外のカードを使った一発芸と言った役目が大きかったですがしっかり自テーマでも必殺技クラスの力を得ました。
星遺物に眠る深層
正体表したね
本来は『機界騎士』で盤面の再構築と相手の制圧という贅沢な目的のために使われるカード。
しかしレベル5以上のリビデという側面もあることを忘れてはいけません。
『ヘル』の効果を残した状態で『ヴァラ』を蘇生して更なる展開を狙えるのはとても強力。
『星遺物の胎導』や『星遺物からの目醒め』の様に他にも相性の良い【星遺物】カードは複数存在するので『星鍵士リイヴ』を使用してお気軽にセットできる点も見逃せません。
メレオロジック・アグリゲーター
パクパク仲間
クソデカヌトス落とし機。
落とした『ヌトス』を始めとするEXデッキモンスターズや『アグリ』自身を『レイヴァーテイン』の効果で出てくる『オルムガント』にパクパクさせることでそれらの墓地効果の連続発動を狙います。
『王の憤激』の対象とすることで、素材と墓地の入れ替えを大規模で行えるようになる点から色々なコンボが考えられるかもしれません。
限られた枠に、夢いっぱい
以上、『王(ジェネレイド)』の新規について書き散らかしました。
新規テーマも時代に取り残されつつある強化待ちの既存テーマも多い現代、1〜2枠の新規さえも砂漠のオアシス同然。
そんな小さな箱の中にこれほどまでに素敵な贈り物詰め込んだ新規をくれるからKONAMIは中々憎めないものなのです。飴もムチも強すぎるんよ…
ではでは、今回はこの辺で。ギアギア怪文書は鋭意作成中です。
良いことも悪いことも目まぐるしい世の中だけど…腐らずに生きようね!!
(2022/09/17 ヴァラがコストを払えるところは手札のみなので修正しました。謹んでお詫びいたします)
この動画は私の魂のデッキである『機界騎士蟲惑魔王』の対戦となっています。よければ是非…